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山崎まさよし 広島振替公演!"Walkin' in my shoes" Tour 2009 広島厚生年金会館 5.22 [山崎まさよし]

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 照明が落とされ,わずかなスポットライトの光に包まれたまさやんは,ラストナンバーの「ア・リ・ガ・ト」で「重ね重ね本当にありがとう」と丁寧に歌っていた。おもちゃの心境を歌った歌だということは本人の口から何度も聞いていることだが,この日ばかりは,この会場に集まったみんなに向けての言葉のように感じられた。
 今回の広島厚生年金会館の公演は,のどの不調のため,公演途中で中止となった3月19日の振替公演。オープニングのSEがPAから流され,客電が少しずつ落とされていくと,まるで津波のような拍手と大歓声が沸き起こる。みんながこの日を待っていたのだ。


 LIVEは前回と同じく,「あなたはだれですか そこからみえますか 時間はありますか」というような歌詞(だったと思う)のアルバム未収録曲からスタート。前回のことがあったし,先日のNHK「SONGS」でも,「追憶」で声の調子が悪そうだったので,やっぱりまさやんの声の調子には,神経質になっていた。
 正直,ライヴ序盤の「マイシューズ」から「Heart of Winter」までは,時折,あの日のような枯れた声が顔を出したり,高音が出なかったりしていたので,「大丈夫かな…」と心配になったりした。演奏が静かになるところなどは,ちょっと祈るような気持ちだった。「バビロンの住人」でのゲンタさんのパワフルなドラミングや,「Me&My Mind」,「窮鼠猫を噛め」での,キタローさんの飛んだり跳ねたりのパフォーマンスは,そんなまさやんの調子を察しての2人のフォローのようにも感じられた。
 見ているこちらがそんな感じで,まさに固唾を飲んで見守る…という感じだったのだから,まさやんの緊張は我々の想像をはるかに超えていたに違いない。前回は申し訳なかったという気持ちと,感謝の気持ち,今回はやらねば!という追い詰められた気持ちもあっただろう。そんな気持ちが入り混じって緊張し,序盤は声帯が縮みあがっていたのかもしれない。「初めての振替公演ということでですね…。えー,あ,山崎まさよしです」と,「バビロンの住人」のあとの最初のMCでは名乗るのも忘れていた。
 そんな張りつめた緊張感が爆笑とともにぶっ飛んだのが,「Heart of Winter」だった。なんと,エンディングのフレーズを,コードを間違えたのか,弦の押さえが甘かったのか,とんでもないミス。あまりに違いすぎる音に,「間違えた!」と言って,ずっこけるまさやん。しばらく仰向けに寝っ転がったままガハハと大笑い。みんなも爆笑。これが幸いし,ホールの雰囲気が一気にリラックスモードに変わったのだ。
 「あーアツイなぁ…。事故った!事故った!救急車呼んで!」まだ笑いが収まらない様子。ゲンタさんキタローさんはタバコを吸うふりで、知らん顔。何だかこちらも安心して,大きな拍手をしたものだから,「いいんですか?こんなんで?…貴重なものが見れましたねー。咽喉が治ったと思ったら,ギター間違えた!」
 間違えたエンディングを、あ・うんの呼吸で2回やり直し、もう,ここからはいつもの「まさやんLIVE」のペースである。そして,話は前回の公演の話に。
 「あの時はですね,身体は元気なのに,声だけが出ないという…。病院に行って,声帯の写真見せてもらったら,こんなに(両手の親指人差し指で輪を作って)腫れててですね,ちょうどサックスのマウスピースが壊れたような状態で,「すぴぃー」って,(爆笑に)…面白いですか? 音が漏れるような状態でして…」
 話に重苦しさはなく,こちらも安心。
 「聞いたら,払い戻しもほとんどなかったって聞いて,大体前回と同じ顔ぶれということで…この場を借りて,ほんとありがとうございました。(大きな拍手に)…みんな優しいね」。
 次の「未完成」は,緊張感から解き放たれたような,本当にいい演奏だった。まさやんの声もハリとツヤを取り戻している…序盤の声が嘘のようだ。
 そして,私の大好きな「振り向かない」。これはもう絶品だった。キタローさんのベースによるインタリュードから,まさやんの切ないハープが入ってくるところからすでに鳥肌モノ。まさやんの高音もいつも以上に切なく,よく伸びてて素晴らしかった。
 「Greeting Melody」は,何だか速かったね。ここでゲンちゃん,キタローさんは一旦バックステージへ。一人になったまさやん,ボトルネックを指にはめ,ギターをSouthern JumboからJ-45(たぶん…L-0じゃなかったと思う)に交換し,スライドギターでブルースを数フレーズ弾いた後「そういえば,インフルエンザが流行ってますが…関西のほうはみんなマスクしててですね…マスク屋の株買っとけばよかった…って,マスク屋ってあるんかい」とか、風疹をうつされた話とかを語りながら,「ただ ただ…」へ。これもすごくよかった。そういえばある雑誌のインタビューでボトルネックはカリフォルニアワインのビンを自分で割って削ってるって話と,弾く時はあんまりミュートしない,って話をしていたのを思い出す。確かにあんまりミュートはしてないみたいだけど、余計な音は出ていない。
 静かにギターをローディーに手渡し,ステージやや右寄りに置かれたエレピへ。イントロが奏でられると,それが「ツバメ」だとわかる。「8月のクリスマス」は,まさやんの中では前回で気持ちの整理がついたんだろうか?なんて思っていると,いつもとは違った感じのインタリュードから,「8月のクリスマス」が続けて演奏された。
 そして,再びゲンタさんとキタローさんを迎え入れ,定位置にもどって「五月の雨」。ここまでMCは一切無し。広島でこの歌たちがどのような気持ちで歌われているのかを,みんなよく知っているので,精いっぱいの気持ちを大きな拍手に込めて,まさやんに届ける。
 続く「アンジェラ」のイントロでは,再び真っ赤なストラト(フェンダージャパン製らしい)に持ち替え,キタローさんのエレピのバッキングで,ジェフ・ベックの「哀しみの恋人達」風なヴァイオリン奏法を決める。この辺りの流れを聞いているうちに,ふと,2007年の広島市民球場での選曲を思い出す。そのときの,「アンジェラ」「妖精といた夏」「One more time, One more chance」「晴男」というセットリストは,平和への願いと追悼の想いを込めたセットリストじゃないかと勝手に思っているのだが,今回のこのあたりの選曲も,もしかしたらそんなことを考えての選曲じゃないのかな?なんて思ってしまった。それならば,ツアーで演奏する機会を探っているという「One more time, One more chance」を、ここ広島で披露してもおかしくは無いと思ったが,続くナンバーはニューアルバムから「追憶」だった。
 が,しかし,この「追憶」の演奏がすごかったのだ。なんでこのヴァージョンをTVでやってくれなかったんだろうと思う迫力の演奏。特にギターソロのハモリを,まさやんのギターとキタローさんのベースで再現するところなんかは,ものすごい音圧で,まさに一歩も動けないくらい圧倒された。
 続く「春も嵐も」は,やはりRCの「雨上がりの夜空に」そっくりなギターリフからスタートした。このようなアレンジになっていたのは,やはりツアー前から清志郎さんの容態のことを伝え聞いていたからかもしれない。今回はゲンタさん、キタローさんのすごいソロが聞けたメンバー紹介のあと,実際に「雨上がりの夜空に」の一部も挿入された。清志郎さんの「トランジスタラジオ」が,幻のデビューシングルだったまさやん…。まさやんの歌い方は,まるで清志郎さんが乗り移ったかのようだった。
 「深海魚」で呼吸を整え,「Exit」の切り裂くようなイントロで再びテンションアップ。ギターを弾かせるところは,まさやん手招きして最前列の女性を呼んでたな。それを合図に3~4人がギターに群がってた。このあたりから,「ドミノ」,「晴男」の盛り上がりは,「熱い!」という表現がピッタリの盛り上がりだった。「晴男」の日替わりは,「広島に住んでて…(ゴニョゴニョ)」で,聞き取れなかったが,「えー!」なんて言われていたから,「阪神を愛してても」とでも言ったのだろうか?(奥さんは「巨人って言ってた」と主張)…まさやんは「広島に住んでないもん…」とか言い訳してた。
 ラストナンバーは「真夜中のBoon Boon」。「晴男」の両手左右振りに続いて,タオルを持った右手をブーン,ブーンとバットのように振る人多数。私も負けずに,チラシやアンケートをバットのように丸めてブーン,ブーン! 今日が振替公演だなんてことはもうすっかり忘れていた。
 演奏が終わり,ギターを置いて客席に向かって深々と礼をするまさやん。横に座っていた奥さんが「すっごい良かった」とつぶやくのが聞こえて,「うん…」とだけ答えた。

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 アンコールはいつもの広島(サッカー応援)風だが,今回は「ヤ・マ・ザ・キ・マ・サ・ヨ・シ・(拍手)(拍手)(拍手)(拍手)(拍手)」に加えて,「ナ・カ・ム・ラ・キ・タ・ロー(拍手)(拍手)(拍手)(拍手)(拍手),エー・ガ・ワ・ゲ・ン・タ(拍手)(拍手)(拍手)(拍手)(拍手)」のニューヴァージョン。出てきた3人はなんとなく照れた様子。
 アンコール1曲目は「Change the World」。まさやんSouthern Jumboを抱え,キタローさんとゲンタさんがフロントでリードヴォーカル。ゲンタさんは歌詞カードを見ながらの熱唱。
 そして,まさやんそのまま,ゲンタさんパーカッション,キタローさん小さなドラムセットで,アコースティックセットがスタート。「アレルギーの特効薬」から始まって,「セロリ」「ステレオ」「長男」「Fat Mama」をメドレーで。アコースティックといってもめちゃくちゃグルーヴしたサウンド。おっと,「ガムシャラ・バタフライ」もやったな。
 続く「パンを焼く」の早口言葉では,キタローさんが手にしたマイクを会場に向ける。ちゃんと言える人,言えない私のような人,…みんな笑顔だ。うん,これこそが,私の大好きな、いつものまさやんのLIVEなんだ。
 いつまでも続く拍手と歓声に,何度も頭を下げるまさやん。今日,何度,こうやって頭を下げただろう。
 「リベンジっていうんですか…。もちろん、これからもずっと音楽を続けていくわけですが、今日は、一生忘れられないライヴになりました。」
 たくさんの歓声を受けて,安心したようなまさやんの笑顔が嬉しい。そして,笑顔でまさやんを見つめるゲンタさん,キタローさんのあったかい視線がまたよかった。
 ステージ上の照明が落とされ,わずかなスポットライトの中でラストナンバーの「ア・リ・ガ・ト」がゆったりとしたテンポで始められる。
 「重ね重ね本当にありがとう」と,丁寧に歌い上げるまさやんに,「我々が待つ所へ帰って来てくれて、本当にありがとう…」と,感謝の気持ちを伝えたかったのは、私だけではなかったはずだ。

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 ライヴのあと,ロビーでアンケート用紙を記入。アンケートの質問欄の「ファンになったきっかけ」という項目に,「98年ごろWOWOWでライヴをみて…」なんて書きながら,「年をとって、小さな会場で,あんまり人が来んようになっても,まさやんのライヴ,行きよるんかね?」と奥さんに聞いてみる。
 「たぶん行きよるんじゃないん…」奥さんはアンケートにペンを走らせながら,顔もあげずにそう答えた。

SET LIST
01.(未発表曲)
02.マイシューズ
03.バビロンの住人
04.Me&My Mind
05.窮鼠猫を噛め
06.Heart of Winter
07.未完成
08.振り向かない
09.Greeting Melody
10.ただ ただ…
11.ツバメ
12.8月のクリスマス
13.五月の雨
14.アンジェラ
15.追憶
16.春も嵐も~メンバー紹介~雨上がりの夜空に
17.深海魚
18.Exit
19.ドミノ
20.晴男
21.真夜中のBoon Boon
ENCORE
22.Change the World
23.アレルギーの特効薬~セロリ~
  ~ステレオ~ガムシャラ・バタフライ~
  ~長男~Fat Mama
24.パンを焼く
25.ア・リ・ガ・ト

山崎まさよし“Walkin' in my shoes” Tour 2009
広島厚生年金会館(3月19日の振替公演)
2009年5月22日(金) 18:00開場 18:30開演
2階 1列 21番


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コメント 6

かず~

お~~~~~
あの時の感動がよみがえる~~~~~~
by かず~ (2009-05-26 23:01) 

jiri

かず~さん、コメントありがとうございます!
まさやん自身が、「忘れられない」なんて言ってくれるようなLIVEに参加できて、本当に嬉しいです。
ますます「山崎まさよし」が好きになりましたよ!
by jiri (2009-05-27 22:09) 

ビッケ

Jiriさん、はじめまして!素晴らしいレポで、あの日を思い出して、また胸が熱くなりました。
本当にいいライブでしたね。最後にステージをはける時に、右手を左胸にあてて頭を下げたまさやんの姿が忘れられません。音楽の才能はもちろん、人としての魅力に私もますます「山崎まさよし」が
大好きになりました。
私もJiriさんと同じく98年からのファンですが、きっとおばあちゃんになっても、まさやんが歌い続ける限り、小さなライブハウスにでも通っているだろうなぁと思います。
広島の方で、男性のまさやんファンのJiriさんのブログ、温かくていつも楽しみにのぞかせていただいてます♪

by ビッケ (2009-05-28 01:40) 

jiri

ビッケさん、はじめまして!嬉しいコメントありがとうございます!
まさやんが、私たちの待つ場所へ帰って来てくれて、あんなに素晴らしいLIVEをみせてくれて、本当に嬉しかったです。
今回のツアーはこれで見納めのつもりでしたが、気がつくと、「香川のチケット残ってないかな…」なんて、探していたりします。
また、気軽にお立ち寄りくださいね。


by jiri (2009-05-28 21:48) 

ビッケ

こんな時間にお邪魔します^^;
本当にあんな素晴らしいライブを見ると、また行きたいと思いますよね。周りには、「同じツアーなのにまた行くの?」って呆れられますが、毎回毎回違いますものね。
私は香川がMy千秋楽です。Jiriさん、是非チケットゲットして更に進化してるだろう今ツアーの見納めしましょう!
by ビッケ (2009-05-29 04:53) 

jiri

そうなんだ!ビッケさんは香川行かれるんですね。
あの日は土曜日で、ちょうど休みだし、高速料金は1000円だし…いい条件は揃っているんですけどね!
by jiri (2009-05-29 20:49) 

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